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慢性蕁麻疹の治療について
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痒みが続くと心身のストレスになります。また、見た目も気になるようになります。症状がひどいと性格にまで影響するとの報告もありますので、痒みがひどい時は、適切な治療で消失や消退をしたいものです。
実際には、来院時には慢性蕁麻疹として受診される場合が大部分です。
その場合はもう一度、原因・悪化因子があるかを分析したうえで、前医の治療を踏まえて新しい治療方針を決定します。
まず、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の変更または、増量や2剤併用を検討したうえに以下の併用薬も考えます。
(1)副腎ステロイド薬(プレドニゾロン、リンデロン、セレスタミンなど)
(2)抗ロイコトリエン薬(キプレス、オノンなど)
(3)H2ブロッカー(ガスター、タガメットなど)
寒冷蕁麻疹には、抗ヒスタミン薬(ペリアクチンなど)や、日光蕁麻疹にはUVカットローションを使用したりもします。
最近、抗モノクローナル抗体(ゾレア)の皮下注射が出ました。12歳以上が適応で効果的なのですが高値なのが難点です。
最終的に症状の消失に至るようになると、抗アレルギー薬などの治療は、少しづつ減量していきます。
ただ、一旦消失したように見えて、繰り返しの再発も多く、本人の薬の依存度も様々です。内服の副作用はほとんどありませんので、本人と話し合いながら減量、中止を決定していきます。中止後の再発を考慮し常に取り置きの薬と、再発時の対応の仕方を会得する必要があります。
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急性蕁麻疹の治療について
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原因はともかく、まず症状の消失を図ります。というのは、膨疹の出来た場所に炎症細胞が集まってくると、長期化の原因となります。
抗アレルギー薬(アレグラ、クラリチン、アレジオンなど)に、低年齢では抗ヒスタミン薬(ペリアクチン、タベジール、アレロックなど)の内服、必要に応じてステロイド薬(プレドニゾロン、リンデロン、セレスタミン(抗ヒスタミン薬含薬)の内服と抗ヒスタミン薬の外用が標準な治療です。
ただ、皮膚そのものの病気ではないため、外用薬の効果は少ないです。
あとは、詳細に分析したうえで、原因・悪化因子が判明すれば、その対応を行います。
通常、直ぐに蕁麻疹が消失した場合は3~4日の内服で終了します。
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蕁麻疹の症状について
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自症状が皮膚症状にとどまるのか、全身症状に及んでいるのがどうかが重要です。
特に食物アレルギーやペットアレルギーなどでは、皮膚症状から全身症状まで移行するとアナフィラキシー、または遅れて症状が出現する事があります。
※アナフィラキシーについてはその他のアレルギーを参照してください
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蕁麻疹の検査について
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検査を希望される場合が多いのですが、蕁麻疹に特有な検査は無く、一般検査でも異常値を示さない場合がほとんどです。
詳細な問診を行った上で、特に食物抗原を中心に検査を行います。
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蕁麻疹の分類について
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原因(誘因)による分類とアレルギー性か非アレルギー性かの分類以外に、経過による分類があります。
発症してから1か月以内を「急性蕁麻疹」、それ以上を「慢性蕁麻疹」と言います。
急性の場合は、何らかの原因がある場合も多いのですが、慢性の場合は原因不明がほどんどです。
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蕁麻疹の原因について
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蕁麻疹には、特定の刺激が入った時起こる「刺激誘発型の蕁麻疹」と
特定の誘因がない「突発性の蕁麻疹」にわかれます。原因不明の場合がほとんどです。
小児では、下記のような原因があります
①感染 ②食物や食品添加物 ③薬剤(抗生剤や鎮痛剤など) ④虫刺され ⑤ダニやペットなどの吸入性抗原 ⑥運動や汗などのコリン性蕁麻疹 ⑦入浴後に起きる温熱蕁麻疹 ⑧紫外線による日光蕁麻疹 ⑨冬に起きる寒冷蕁麻疹 ⑩ストレスや疲労 ⑪内分泌(ホルモン)など 食べ物が原因と考える方が多いのですが、せいぜい2割ほどです。
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蕁麻疹とは?
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蕁麻疹は、痒みのある盛り上がった湿疹(膨疹)が消退を繰り返すものです。
皮膚の表面のむくみ(浮腫)で起こり、地図状になることがあります。
皮膚の深いところがむくむと血管性浮腫になり、唇やまぶたが腫れることがあります。
これが喉で起こると、息苦しくなったり窒息の危険がありますので注意が必要です。
皮膚にある肥満細胞が、何らかの刺激を受けヒスタミンを放出すると、毛細血管が拡張し皮膚が赤く見えたり膨らんだりします。また、知覚神経もヒスタミンによって痒みを生じます。